家族を介護する日々の苦しみや哀しみ、喜びを五・七・五・七・七の言葉に託した「介護短歌」。自分の目で見、耳で聞き、肌で感じたことを素材にし、思いついたことを素直に表現した「介護短歌」は、NHKテレビや雑誌等で大きな反響を呼んでいます。
ここでは毎月一回、自らも介護の経験を持ち、介護短歌の火付け役となった安森敏隆さんがみなさんから投稿された「介護短歌」を紹介し、全国の介護家族の心を結びます。
[2005年5月の介護短歌]
安森敏隆です。
月に一度、みなさまから寄せられた「介護短歌」に選評を付けてご紹介します。
日常生活のなかの喜びや悲しみを先ずは、五七五七七にして送ってください。お待ちしております。
【五月の優秀作品】
渾身の力をふるい身を起こす母支うる我も力みて
(評 介護の様子が「みをおこす」などの日々の実感を通して母と一体化した姿としてうたわれている。)
哀しみを心の中に看護婦と冗談言いて笑う束の間
(評 ときとして哀しみの底から出る言(こと)の葉(は)に心打たれる。)
家業たち長男なれど辞める姑の死後はたのむとふるえる字で書く
(評 気丈な「姑」の元気な姿が目に見えるようである。)
《その他優秀作品》
意識なき姉の寝顔を見つめつつ介護の義兄の年を指折る
現職の福祉士なれど離れ住む義母にわびわび週一介護
出すごみも洗濯物も嵩減りて老母(はは)入院し十日過ぎたり
介護され介護するうちいつしかに癒(いや)されており心の疲れ
臥す吾子(あこ)の髭そり口をぬぐいつついつの日か父と意識してほし
食卓へ這い来る夫(つま)がもろの手を畳に打てる音の近づく
小野和子決意する介護にたよる身なれども我がやれること必ずやある
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⇒ 安森教授プロフィール
