家族を介護する日々の苦しみや哀しみ、喜びを五・七・五・七・七の言葉に託した「介護短歌」。自分の目で見、耳で聞き、肌で感じたことを素材にし、思いついたことを素直に表現した「介護短歌」は、NHKテレビや雑誌等で大きな反響を呼んでいます。
ここでは毎月一回、自らも介護の経験を持ち、介護短歌の火付け役となった安森敏隆さんがみなさんから投稿された「介護短歌」を紹介し、全国の介護家族の心を結びます。
[2005年4月の介護短歌]
安森敏隆です。
今月から月に一度、みなさまから寄せられた「介護短歌」を紹介していきます。
日常生活のなかの喜びや悲しみを先ずは、五七五七七にして送ってください。お待ちしております。
【四月の優秀作品】
古き我が花のパジャマを着せたればきれいな服と母は喜ぶ
(評 母の介護のときどきをみごとに演出し、ともに喜び浄化している。)
点滴を受けつつ元気に問いてきぬ「甘いものは」と母はすまして
(評 母への大変な介護の一こまが、明るくユーモラスに描かれている。)
痙攣する夫の身体(からだ)を押さえいる救急車来るまでの時はてしなき
(評 痙攣する夫をいたわり介護しながら「果てしなき」長さとして捉えた作品。)
福祉の輪ひろげふかめて助け合う生きがいをもつ世にせんと思う
(評 専門の福祉士をめざそうとする希望に満ちた力強い歌になっている。)
《その他優秀作品》
さすりやる卒寿の義母(はは)の足裏は子供にも似てしなやかさをもつ
九十七歳のおばあちゃん長生きしてねまだまだ若い
にっこりとほほえみ車降りる姑(はは)「家がよいのね」寮母のつぶやき
ひとことの言葉で出来るボランティアお金で買えぬ物だってある
硬き便苦しみなごめと摘便の血の指先の行きどころなき
介護する我の名のみを呼ぶ姑(はは)よ嫁ぎし頃の姿かさねん
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⇒ 安森教授プロフィール
