Dr.神津の健康倶楽部

これまでは、病気にかかったら病院に通う、薬を処方してもらう・・・と病気の治療が重要とされていました。しかし、原因のわからない病気は未だ多く存在し、病気の治療から予防へと注目は移り始めています。
病気を予防するには健康な生活を送ることが大切ですよね。
ここでは、「よりよく生きる」ために日々の生活を考えていきます。

[第18回 ゴマの威力、再検証!]

最近になり再び「ゴマ」が見直されてきたようで、先日もどこかのテレビ番組でも放送されたようです。

■ゴマリグナン?ゴマグリナン?セサミン?

何年も前から、ゴマが健康に良いのは、ゴマに含まれる『ゴマリグナン』という成分によるものと言われています。しかし最近は『セサミン』という名前も出回ってきたので、少し混乱されている方もいるかもしれません。
まずはこの二つの成分につき、簡単に説明しましょう。
ゴマリグナンとは、リグナン類に分類される成分です。「リグナン類」の説明は専門的になるのでここでは省略しますが、『類』とされる所からも判るように、リグナン類にはそれこそ無数の種類があります。
ゴマリグナンは、ゴマから抽出されるところからこの名称が付きました。ただしゴマリグナンとて、一種類の化学構造を持つものではなく、多様の構造を持った成分の総称でしかありません。
なお、時々『ゴマグリナン』と表記されているものがありますが、『ゴマリグナン』が正しいので、お間違えないように。
さてセサミンですが、これはセサミノールとも言われ、ゴマリグナンの一種です。ゴマにはゴマリグナンが1%ほどしか含まれていないので、セサミンの含有量はさらに少なくなります。
セサミンは数あるゴマリグナンの中でも、特に肝臓内においての抗酸化力に優れているようで、二日酔いや肝臓障害の予防にも良いだろう、と言われています。

■ゴマの他の成分は?

ゴマの効力は、何もゴマリグナンだけに頼るものではありません。ビタミンB1、B2や必須脂肪酸であるオレイン酸やリノレン酸、カルシウムやリン等のミネラル分も豊富です。
ビタミン類はそれだけで抗酸化力を持つ成分ですし、オレイン酸とリノレン酸は、不飽和脂肪酸なので血中コレステロールを低下させます。カルシウムやリンは骨格や毛髪の生産に使われます。

■ゴマの効果って?

まず、先にも挙げた抗酸化力と、肝機能の強化があります。
しかし何より、ゴマが持つ最大の効果は、血中の脂質を溶かすことでしょう。これにより血管が詰まるのを防げると考えられます。
つまり、動脈硬化や脳梗塞の予防につながるのです。特に脳梗塞の一種である微小脳梗塞は、自覚症状がないまま脳のあちこちに発生し、認知症の原因の可能性も示唆されている程なので、長い目で見れば認知症の予防にも一役担えると考えられます。

■終わりに

ごまの効力が判明し出したのは、ここ数年の話です。
しかしゴマが健康に良いとは、もう何十年、ひょっとしたら何世紀も言われている事ですから、古人はゴマが研究される前から既にその効果を知っていたのです。最新の研究により、改めてその効果が確認されたというところですか。
ところで、ゴマは殻が硬いので、そのまま食べても消化されにくいです。食べる際には、すっておくか、ペースト物を使われるのが効果的な摂取方法でしょう。
この季節、脳梗塞で倒れられる人は年間で最高になるそうです。お気をつけ下さい。

2006年9月掲載

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