Dr.神津の健康倶楽部

これまでは、病気にかかったら病院に通う、薬を処方してもらう・・・と病気の治療が重要とされていました。しかし、原因のわからない病気は未だ多く存在し、病気の治療から予防へと注目は移り始めています。
病気を予防するには健康な生活を送ることが大切ですよね。
ここでは、「よりよく生きる」ために日々の生活を考えていきます。

[第15回 健康食の基本は日本食]

■朝食抜きは肥満の元!?

先日のニュースサイトで、気になる記事を見つけました(1)。
この記事によると、朝食を抜く人の割合が、厚生労働省が『健康日本21』に掲げる目標(15%以下)と大きくかけ離れていることが判明した、というものです。
朝食を抜くと言う行為は、大した問題ではないと見る向きがあるかもしれません。
しかし厚生労働省が呼びかけているように、「朝食を抜くと栄養が偏るだけでなく、昼食や夜食を食べ過ぎて肥満や生活習慣病の引き金にも」なります。
事実、『平成16年 国民健康・栄養調査結果の概要について』では、成人で脂肪からのエネルギー摂取が25%を越えている者の割合は、男性で約4割、女性で約5割と報告されています(2)。
対して、厚生労働省が『健康日本21』で掲げている脂肪エネルギー比率は、平成9年国民栄養調査の27.1%から、2010年(平成22年)には25%以下にするとしています(3)。目標値にはまだまだ遠い事がわかります(脂肪エネルギー比率とは、総摂取エネルギーに占める脂肪からのエネルギーの割合)。
「朝食を抜いている人の割合が多いから、脂肪エネルギー比率が高い」と言うのではありません。朝食をきちんと食べると言う食生活の改善から、脂肪エネルギー比率を下げる努力を検討しても良いのではないでしょうか。

■やっぱり日本食は健康に良い

さらに先日の朝日新聞のウェブサイトで、このような記事を見つけました(4)。
東北大学の宮澤陽夫(てるお)教授(食品学)らが、ネズミである実験をしました。16匹のネズミを2グループに分け、一方のグループには日本食を、もう一方にはハンバーガーなどの洋食を3週間食べさせたのです。
結果、和食を食べたネズミの遺伝子の中で、脂肪やコレステロールを分解する複数の遺伝子が、洋食を食べていたグループの1.5倍以上に活性化していたと言うのです。また、洋食を食べていたネズミの肝臓に貯まったコレステロール値は、日本食を食べたネズミの1.5倍以上になっていたそうです。
ネズミと人では代謝が異なるから一緒にはできませんが、日本食が健康によさそうだと言う知見にはなるのではないでしょうか。

■メタボリックシンドロームにはなりたくない

脂肪量の増加は、メタボリックシンドローム(内脂肪症候群)とも関係があります。メタボリックシンドロームの有病者数は約940万人、予備軍は1,020万人、併せて1,960万人とされています(2)。 メタボリックシンドロームは、生活習慣病の「糖尿病」「高血圧症」「高脂血症」の発病リスクを上げます。
脂肪をエネルギーに変えるには運動すれば良いのは誰でも知っていることですが、常日頃から実践できる環境にある人は少ないでしょう。
ならば、できるところから始めるとして、もっと積極的に日本食を摂るように心がけてはいかがでしょうか。

■参考インターネット

  1. 朝日新聞『20代男性の3割超は「朝食抜き」 厚労省改善呼びかけ』:
    http://www.asahi.com/health/news/TKY200605200105.html (リンク切れ)
  2. 平成16年 国民健康・栄養調査結果の概要について:
    http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/05/h0508-1.html
  3. 健康日本21ホームページ:
    http://www.kenkounippon21.gr.jp/index.html
  4. 朝日新聞『「和食はヘルシー」実証 東北大、ネズミで実験』:
    http://www.asahi.com/health/news/TKY200605230391.html (リンク切れ)
2006年6月掲載

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