Dr.神津の健康倶楽部

これまでは、病気にかかったら病院に通う、薬を処方してもらう・・・と病気の治療が重要とされていました。しかし、原因のわからない病気は未だ多く存在し、病気の治療から予防へと注目は移り始めています。
病気を予防するには健康な生活を送ることが大切ですよね。
ここでは、「よりよく生きる」ために日々の生活を考えていきます。

[第14回 究極の健康食品は“ナットウ”です!?]

■納豆の由来

納豆を知らない方はいないと思います。
しかし、納豆の伝来経路は不明です。1051年の『新猿楽記』で、『納豆』という単語が記載されていたと言いますから、少なくとも1千年近い歴史はあります。
納豆の名の由来は、寺の納所(なつしょ、台所)で大豆を材料にするため「納豆」と名が付いた、という説があります。別説では、豆腐と納豆が日本に入ってきた時に間違って逆転してしまった(つまり、現在の豆腐が納豆で、納豆が豆腐である)とも言われています。ですが中国でも豆腐は豆腐と呼ぶので、この説が誤りなのはお解かりでしょう。
伝来や名の由来はともかく、納豆が昔からあった食品である事実は間違いのないことです。

■大豆の成分

納豆は大豆をナットウ菌(Bacillus subtilis)で発酵させて作ります。
大豆が原料ですから、植物性たんぱく質を多く含んでいます。また、女性ホルモン様作用を持つイソフラボンも多量に含んでいます。その他、レシチンやサポニン、トリプトファンやロイシンといったアミノ酸、植物繊維やミネラルなど、有用な成分の枚挙にいとまがありません。
他にも多種多様な成分が大豆には含まれていますが、ナットウ菌で発行させることで、さらに有効な成分が追加されます。

■ビタミンK2

それら成分のうち1つが、ビタミンK2です。これは骨たんぱく質の働きや骨形成を促進させる事が確認されています。この作用から、ビタミンK2を多く含むとして、特定保健用食品の認可を取った納豆すらあります。
ただしビタミンK2は血液凝固作用のある事から、ワルファリンなど抗凝血薬を使用している人には禁忌です。

■ナットウキナーゼ

納豆で知られるもう1つの成分は、血液を固めるビタミンK2とは反対の作用、凝固した血栓を溶かす作用を持つ酵素であるナットウキナーゼです。
ナットウキナーゼは納豆のネバネバの成分で、1987年に須見洋行博士により、強い血栓溶解力を持つ事が確認されました。当時の研究はイヌを検体にしたもので、人を対象とした有用性の研究は、残念ながら未提出なのか見つけられませんでした。
また、血栓が溶けることで血流が穏やかになり、血圧を下げることもできるのではないか、との期待もあるようです。
このような背景から、人への有用性を期待し、多くの健康食品メーカーがナットウキナーゼのサプリメントを製造販売しているのは、周知のことです。

■納豆の臭みには対策あり

納豆には独特の臭みがあり、それが理由で納豆を敬遠する人が多いです。臭みを弱める食べ方の工夫として、ねぎを加えたり、てんぷらにするなど、ご存知の方も多いでしょう。
また、臭みを抑えたサプリメントもあります。納豆は苦手だけど血栓が心配だという方は、サプリメントを使ってみるのも良いのではないでしょうか。

■おわりに

いつ頃の記事かは忘れましたが、長寿な人たちの食生活を調べた結果が、どこかの新聞に載っていました。全ての人に共通していたわけではないでしょうが、大豆を使った食品を摂取する人の比率が多かったそうです。

2006年5月掲載

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